今週の EC×AI 活用まとめ(2026年07月30日週)

週次まとめ 2026年7月30日 · 著者: 田中 雅人

2026年7月30日週

今週の要点: AIチャットボットの月額が2200円まで下がりました。同じ週に、AI検索で自社ブランドがどれだけ語られているかを測る機能も更新されています。「入れる費用」と「効いたか測る手段」が同時に動いた週です。

問い合わせ対応の自動化が、月額2200円になった

GMOプライム・ストラテジーが7月29日、WordPress向けのAIチャットボットプラグイン「GMO AI RAGチャット」の提供を開始しました。無料版に加え、月額2200円(税込)の有償版が用意されています。

仕組みはRAGです。サイト内の情報を参照して訪問者の質問に回答します。管理画面からインストールするだけで設置でき、個別開発やインフラ設定は不要と説明されています。

料金の設計に目が留まりました。標準のLLMを使う場合、AIの利用量に応じた従量課金は発生しません。月額固定です。有償版では GPT・Claude・Gemini など主要モデルとのAPI連携も選べますが、この場合のAPI利用料は利用者の負担になります。

想定する利用シーンには、カスタマーサポートやFAQの自動化に加えて、ECサイトのコンバージョン率向上が挙げられています。

ただしこれはWordPress向けのプラグインです。Shopifyストアにそのまま入るものではありません。

あなたの店なら、金額そのものより先に比較対象を出します。先月の問い合わせ件数と、返信に使った時間を数えてください。その時間の人件費が月2200円を大きく超えているなら、CS自動化はもう「検討する価値があるか」の段階を過ぎています。プラットフォームが違っても、同種のツールは選べます。

出典: https://webtan.impress.co.jp/n/2026/07/30/53059

AI検索での露出が、順位まで測れるようになった

Faber Companyが7月28日、「ミエルカSEO/GEO」の AI検索シェアモニタリング機能を更新しました。追加されたのは「Share of Voice」と「言及ランキング」です。

Share of Voice は、ChatGPT や Gemini など主要AIモデルの回答全体で、自社ブランドがどれくらいの割合で語られているかを出現回数で数えます。言及ランキングは、AIの回答文の中で自社ブランドが何番目に登場したかを示します。

後者の使い方が具体的です。発表では「認知度は高いが第一想起されていない」といった課題の発見に役立つと説明されています。回答に出てくるかどうかだけでなく、何番目に出てくるかが分かる。ここが従来のブランドシェアや引用率との差になります。

ブランド別の順位表は追加契約での提供です。ダッシュボードの実行ログには自社の言及順位を示す列が加わり、ファイルへエクスポートして報告資料に使えます。

有料ツールなので、まず無料でできることから始めるのが順当です。あなたの店なら、自社の商品を買う人が使いそうな相談文を3つ決めて、ChatGPT に同じ文言で毎週聞いてみてください。自社が出てくるか、何番目か、どの競合と並んでいるか。手作業でも記録は残せます。ツールを入れるのは、測る習慣がついてからで遅くありません。

出典: https://webtan.impress.co.jp/n/2026/07/29/53055

その他の動き

DoorDash が Shopify と連携。 米国で実店舗を持つマーチャントが、DoorDash のマーケットプレイスへ商品を掲載できるようになりました。個別のオンボーディングは不要です。オンデマンド配送も提供できます。

Digital Commerce 360 は、Instacart や Uber Eats も近年小売企業を自社マーケットプレイスへ取り込んできたと報じています。日本でそのまま使える話ではありません。ただし配送プラットフォームが販売チャネルになる流れは、国内の出前・配送サービスにも起こりえます。

出典: https://www.digitalcommerce360.com/2026/07/28/doordash-integration-shopify-on-demand-delivery/

デザイン提案の期間を2週間から2日へ短縮した制作会社。 Web制作会社のカンナートが、AIツールでクライアントとのイメージのズレを解消した事例が紹介されました。ただしトライベック株式会社によるスポンサード記事で、数値は自己申告です。計測条件は記載されていません。

着目すべきは短縮幅より、AIを使った箇所が「提案前のイメージ共有」だという点です。記事では失敗も語られています。海外製ツールで日本語フォントが扱えない。AIで作ったと分かる仕上がりになる。導入すれば速くなるという話ではありません。

出典: https://webtan.impress.co.jp/e/2026/07/28/52937

NotebookLM から改名した Gemini Notebook の使いどころ。 一般的なチャットAIとの違いは、与えた資料の中だけで答えることにあります。広く浅い知識で答えるのではなく、渡した情報に閉じる。だからハルシネーションが起きにくいという整理が紹介されました。

商品マニュアルやFAQ、過去の問い合わせログを読ませれば、社内向けの回答支援に使えます。顧客へ直接見せる前段として、担当者の下書きを作る用途から試すのが現実的です。

出典: https://webtan.impress.co.jp/e/2026/07/29/52991

今週から試すなら

先月の問い合わせ件数と対応時間を数えてください。数字が出たら、上位3件の質問をそのままFAQへ書き出します。CS自動化を入れるかどうかの判断も、AIに読ませる元データの用意も、この作業から始まります。

同じ週に、自社商品の相談文を3つ決めて ChatGPT に聞いた結果も記録しておきます。問い合わせの実数とAI検索での見え方が並べば、次に手を入れる場所は自然に決まります。

過去の動きは週次まとめ一覧から確認できます。AIでEC運用を実際に試した記録は実証記事にあります。